告知

すぐに支払いが難しくても、分納や延納の申し出により、水道・市ガスの供給を継続することができます!

 私たちフードバンク仙台では、ボランティアの有志でライフラインの無償化を求めるプロジェクトを行っています。
 過去の活動は下記のブログをご覧ください。

・住民の生存・生活を守るために、仙台市にライフラインの即時負担軽減と恒久的な無償化を求めて申し入れを行いました!

・ライフラインについての仙台市の回答(12/23)を受けて、再度申し入れを行いました!

私たちは仙台市水道局やが仙台市ガス局に対しても、お金が払えないからと言って水やガスの供給をとめないでほしいと求めてきました。その活動の一環で、2022年12月27日に、両局に対しライフラインの供給に関して質問書を提出しました。過去の仙台市からの回答の際、水道やガスの料金支払いが難しい利用者に対しては配慮を行い柔軟な対応を行っていると回答していましたが、私たちのもとには「延納の相談をしたが聞いてもらえず目の前でガスを停止された」「分納や福祉制度の紹介などされなかった」「停止後に電話や訪問での生活状況把握や事情を聞き取ることなどのこともなかった」という声が寄せられており、市民が十分な生活が送れていないことが分かっていたためです。

水道局の運営に関する質問書
ガス局の運営に関する質問書

そして今回、質問書に対する回答がガス局・水道局から1月13日に返ってきました。その回答の中で見えてきたことについて紹介します。
水道局からの回答
ガス局の運営に関する質問書への回答について

◎水道と市ガスは分納や延納の申し出をすれば、供給を継続することができます。
ガス局からは、2022年の回答の中で既に「ガス料金の期日までのお支払いが難しいなど、料金お支払いのご相談をいただくお客さまには個別のご事情をお伺いし、延納や分納などの方法で柔軟に対応しているところ」と回答があり、さらに今回「分納や延納以外の柔軟な対応方法としては、支払い意思はあるものの生活困窮でどうしても料金が支払えない旨のお申し出があった場合で、お申し出のとおりと認められる場合には、お支払いの約束を条件にガスの供給を継続しております。」という回答をもらいました。

同様に水道局からも、「水道局においても、ガス局と同様に分納や延納のご相談に応じており、分納や延納のお申し出をいただくことで、給水停止を行わない又は給水停止を解除する対応を行っております。」という回答をもらいました。

本人からの申し出が前提となってはいますが、生活に困窮してすぐに支払うことが難しい際には、分納や延納などでライフラインの停止を避けることが出来ます。(ガスに関しましては仙台市ガスになります。)
生活が苦しく継続的に滞納をしており停止の可能性がある/現在停止してしまっている方は、ぜひ電話等で仙台市水道局・ガス局にご相談してほしいと思います。電話などで相談したが分納や延納などの対応に応じてもらえなかった、再開栓が出来なかった、分納額が大きすぎて生活が苦しくなる、という方はぜひ私たちまでご相談ください。

これらの情報は、水道局やガス局のHPには載っていません。私たちは引き続き水道局やガス局に対応の改善を求める中で、HPへも掲載するよう求めたいと思います。

◎長期間支払いの相談がなかったら供給停止は妥当か?

 一方で、それぞれの回答には、長期間相談がなかった人は供給停止に至ってしまうことが書かれていました。

 例えば、水道局は「・・水道局と連絡が取れないまま長期間お支払いいただけなかった方や、延納や分納のお申し出をいただいたにもかかわらずそれが守られずかつ何らのご相談もいただけなかった方等につきましては、やむを得ず給水停止を行っております」、ガス局は「・・やむを得ず停止となる理由といたしましては、ガス局からの複数回の訪問や書面による連絡を実施してなお、お支払いの相談がないことや、支払い猶予の約束をしたものの期日までにお支払いやご連絡がないこととなっております」と回答しています。

 しかし、この場合の供給停止は妥当か疑問です。連絡がとれず当事者が相談しなかった場合や結果として支払いがなかった場合には、その当事者が体調不良などで対応できなかった場合や、精神疾患等で自身での対応が困難になってしまっている可能性も考えられます。このような場合は、ライフラインの供給をとめるより、福祉部門との連携で実態把握に努めることが先ではないでしょうか。
 水道局やガス局の回答を見ると、「相談があった場合」には福祉の相談窓口を紹介しているようようですが、「相談がなかった場合」についての対応については触れられていません。生活実態の把握を目的とした訪問や福祉局への情報提供が行われていない可能性が高いです。そのような状況の中「供給停止」という対応になっているのは、柔軟な対応とは言えないのではないでしょうか。
 そもそも、厚労省の通知では、機械的な給水停止を避け、当事者自ら相談に訪れることが不可能な際にもアウトリーチや福祉機関との連携を通して支援が行き届くようにすることが求められていました(厚生労働省「生活困窮者自立支援制度担当部局との連絡・連携体制の構築等について」平成31年度3月)。支払いの相談が長期間ないことなどの状態があったとしたら、行政の福祉部門と連携するなどして、その実態の把握につとめ問題を解消するべきなのではないでしょうか。ライフラインの供給を止めるとなると、その人の生存が危ぶまれてしまいます。命を最優先した対応や連携体制の構築をしてほしいと思います。

なお、このような場合、当事者の承諾がなくても、人命保護のために福祉部門にその当事者の情報を提供することは可能だと思われます。個人情報の問題で福祉と連携しにくい、ということは制度上は解決されていると考えられるからです。
厚生労働省「地域において支援を必要とする者の把握及び適切な支援のための方策等について」(社援地発0511第1号 平成24年5月11日)において、「福祉部局との連携に際しては、特にライフライン関係事業者の協力が重要となるが、個人情報の保護に関する法律(平成 15 年法律第 57 号。以下「個人情報保護法」という。)との関係から情報提供に躊躇されているのではないかとの指摘がある」としてすでに懸念される事項を取り上げられています。そして、「あらためて個人情報取扱事業者である水道・電気・ガス事業者に対して、個人情報保護法第 16 条(利用目的による制限)及び第 23 条(第三者提供の制限)は、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」に該当する場合はこれらの制限は適用除外となり、あらかじめ本人の同意を得なくてもよいとされていることに留意すること、また、地方公共団体である水道事業者に対しては、条例に上記内容と同様の規定がある場合においてそれに該当するときは、当該規定を適用するよう助言等がなされたところである」という説明がなされているのです。

料金支払いの公平性より前に、まずは命を守る。行政にはそれを行ってほしいと思います。

◎アンケート調査を実施中です。

フードバンク仙台に相談を寄せる方たちの声を、社会に、政治に届けていきたいと思います。今回の分納や延納についての回答も、ライフラインの停止や滞納の経験についてお話をしてくださった方の声があったからこそ出てきたものだと思います。私たちは現場の声をより集めていくために、アンケート調査も実施しています。ライフラインの料金を滞納した、あるいは停止したことがある方は、当時の生活状況やご自身の気持ち、行政・会社の対応などを書いて教えていただきたいと思います。アンケートへの記入はこちらからお願いいたします。協力いただける方はぜひご協力をお願いします。

これからも、生活に必要なライフラインが停止するようなことがない社会を目指して、活動を続けていきます。

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