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住民の生存・生活を守るために、仙台市にライフラインの即時負担軽減と恒久的な無償化を求めて申し入れを行いました!

「ライフライン無償化プロジェクト」は9月にフードバンク仙台や仙台POSSEで活動するZ世代の若者が始めたプロジェクトです。ライフラインの即時負担軽減・無償化を求めて署名活動や社会発信などを行ってきました。立ち上げについてはこちらのブログ記事をご覧下さい。

・フードバンク仙台に寄せられた相談の全体像(2022年4月~9月)
フードバンク仙台は、今年度(2022年度に入ってから9月まで)に、すでに延べ1556世帯(延べ3014人)、実世帯数669世帯(1152人)もの食料支援依頼や相談を受けてきました。

この中には生活保護受給世帯やその水準と同程度、またはそれ以下で生活せざるを得ない方たちがいます。ライフラインの支払いをすれば食料が買えない、一方で食料を買えばライフラインの支払いが滞ってしまう、というような「エネルギーか食料か」を迫られている状況は、餓死や凍死などが目前に迫る生死に関わる問題です。また、窮状を訴える相談は、正規雇用労働者、大学生、そして家や車を持ち、子どももいるといういわゆる「中間層」からも寄せられています。

食料支援依頼の中で見えてくるのは、相談者の多くが「仕事がある」ということです。相談者(延べ1555世帯)の45%の方が食料支援依頼時に「仕事がある」と答えています。また、仕事があると回答された方(学生のパート・アルバイトを除いた607世帯)のうち31%が正規雇用で働いている方です。コロナ渦で失業をして依頼をするという方よりも、現在の何らかの形で働いているのにも関わらず、食料支援が必要な状況に陥っているということが、現在仙台で拡大している貧困の状況なのです。家賃を滞納している人も増加しています。


その中で、最近の物価上昇や公共料金の値上げの中、食料を購入できないだけでなく、ライフラインを利用できない人が数多くいる現実が浮かび上がっており、その割合はプロジェクト開始時よりも増加しています。

・ガスが使えない世帯は119世帯、1~3カ月滞納している世帯は約27%にあたる417世帯
・電気が使えない世帯は37世帯、1~3カ月滞納している世帯は約28%にあたる441世帯
・水道が使えない世帯は46世帯、1~3カ月滞納している世帯は約22%にあたる349世帯
(総世帯数1556世帯、複数回答)

このように、ライフラインが既に停止されている方がごく少数とはいえないような状況になっています。3カ月以上滞納されている方も少なくなく、いつ止まってもおかしくない人も増加しています。既に寒い時期を迎えた仙台で暖をとることが出来なければ命に関わりますし、新型コロナが再び拡大している中手洗いが出来なければ感染リスクは高まります。こうした中で、ライフラインの支払いがすぐには難しいからといって停止するということは、生死の問題に関わります。

・仙台市に対して申し入れを行いました!
これらの状況を踏まえ、私たちは12月9日に、仙台市に対して質問書と要求書を提出し、申し入れを行いました。質問事項と要求事項は以下の通りです。

質問事項
1.価格高騰緊急支援給付金の要件を満たさないが生活が苦しくなっている世帯に対して、仙台市として支援をする必要があると考えているかどうかをお答えください。必要があると考えている場合、どのような支援を行う予定があるかもあわせてお答えください。

2. ライフラインが停止に至っている世帯の生活状況を仙台市として把握しているかどうか、把握しているとすればどのように把握しているかをお答えください。

3. 人の命よりも支払いが優先され、ライフラインが一定期間未納であれば止められてしま い、市民の生存が実際に危ぶまれている状況に対して、どのように考えているのかをお答えください。

4. 他の自治体が行っているような全世帯に対する緊急措置(例えば水道の基本料金無償化など)を今まで行ってこなかったのはどういう理由かをお答えください。
 

要求事項
1 支払いがすぐには難しい方に対しても、絶対にライフラインを止めないでください。

2 物価上昇や貧困拡大への緊急措置として、ライフラインの支払いの即時負担軽減を求めます。

3 緊急措置にとどまらず、すべての市民の生存権が守られるよう、恒久的なライフラインの無償化を求めます。

仙台市は現在、自治体独自の政策として、非課税世帯など限定的な世帯への給付などしか行っていません。7日に開かれた仙台市議会ではエネルギー価格の高騰に対して事業者に対する支援策は出されましたが、個人に対する支援策は出されませんでした。しかしながら、仙台市の取り組みはフードバンク仙台の支援の現場から見える実態から見て大きく乖離していると考えます。支援の現場では、既にライフラインが止まっていたり、近々止まってしまうという不安を常に抱えながら生活をしている人がいるという切迫した状況です。年明けにも始まるエネルギー価格の高騰や物価上昇によって多くの人が生活できなくなるだけではなく、「生きるか死ぬか」を迫られると想像できます。

だからこそ、私たちは第一に「支払いがすぐに出来なくてもライフラインを絶対に止めない」ことを要求しました人の命よりも支払いが優先され、ライフラインが一定期間未納であれば止められてしまい、市民の生存が実際に危ぶまれています。ライフラインが止まればこの冬を越すことは不可能であり、最低限の生活を割るような状況を見過ごしていいはずがありません。誰もが生きる権利として、「ライフラインを安定的に利用できること」が必要です。
そして、ライフラインが停止をしていなくても、すでにライフラインを複数ヶ月滞納していたり、食事を削るなど生活の一部を犠牲にすることを強いられている方がいます。制限や犠牲をしないと生きていくことができない生活は、人間的な生き方ではありませんし、「生存権」が守られていないということが出来ます。だからこそ、国の補助政策だけではなく、仙台市として水道やガスの減免や負担分の一時的な無料化などを早急に講ずることを要求しました。

本人には帰せないような問題(物価上昇やコロナなど)によって、生活が困窮し、さらにお金がないという理由で命が軽んじられることはおかしいと思います。「家計でやりくり」や「節約」などが世の中で叫ばれていますが、そんな悠長なことは言っていられません。多くの人の生存がないがしろにされることになります。今回の申し入れは、最低限度の生活さえも送れなくなることへの抗議であり、私たち自身の生存や生活を守るための要求でもあります。

貧困ゆえに人間としての尊厳、その基礎であるライフラインの権利が奪われるようなこの社会を変えていくために、今後も活動を進めていきます!

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