活動報告

【前編】東北電力に対して、電気代値下げ等を求める署名2084筆を提出しました!

ライフライン無償化プロジェクト(フードバンク仙台×仙台POSSE 共同事業)とFridays For Future Sendaiが9月14日に東北電力株式会社に対して行った、電気代値上げについての公開質問状の提出がネットニュースなどで話題となりました。

質問状の内容東北電力からの回答については、過去のブログをご覧ください。

◎署名の立ち上げと東北電力への提出

東北電力からの「値上げは間違っていなかった。値下げは今は考えていない。」との回答に対する抗議・要求として、上記二団体は10月8日よりオンライン署名を行いました。求めたことは、大手電力会社9社が①電気代を値下げすること、②困窮して支払いが難しい世帯の電気供給を止めないこと、の二点です。
※署名の受付は終了しました。ご賛同頂いた皆さまありがとうございます。

約2ヶ月間で2084筆の賛同が集まり、12月15日(金)に、東北電力本社で署名の提出を行いました。事前にアポを取ろうとしましたが、「質問状提出の時に既に会っているため、直接会うことはできない。署名は郵送で送ってほしい」の一点張りでした。

しかし、エネルギー貧困が広がる中値上げすることについて電力会社の方々の考えを聞きたいということ、私たちが日々の支援の中で痛感しているエネルギー貧困の切実さを伝えたいということから、やはり署名の提出は直接行いたいと考え、東北電力本社を訪れました。

署名提出前に打ち合わせをする様子(2023.12.15 錦町公園)

◎東北電力の対応のようす

当日、署名受け取りの対応をした担当者2名は、「署名を受け取ることはしますが、長く話すことはできません」という態度でした。

①電気代の値下げについて

要求の一つ目である電気代の値下げについては、「燃料価格の下落・政府の支援策により、値上げは落ち着いている」とだけ説明がありました。電気代を払うために節約を重ねたり、払えなくて止められたりといった「エネルギー貧困」が今もなお深刻化し続けている状況を訴えても、「値下げの必要性はない」とする姿勢を貫いています。

②滞納世帯への電気供給継続について

要求の二つ目である、滞納世帯への電気供給継続については、「払うのが難しい人については相談してもらえれば真摯に柔軟に対応している」という趣旨の説明がありました。つまり、「絶対に供給停止しない」と明言はしていないものの、相談さえすれば滞納した際にいきなり止めるということはない、ということです。

しかし、支払いが難しい人たちにそのことが周知されていないのではないか、という問題があります。

実際、東北電力のホームページにそのような記載はなく、フードバンク利用者の方へのこれまでの聞き取りにおいても、相談しないまま止められてしまう人が多く見られます。

そのため、「相談があれば柔軟な対応をする」ことを明示する必要があることを伝えましたが、東北電力からは「そのような意見があったことは共有します」という回答のみでした。

③福祉局との連携について

また、滞納者の経済状況などについての情報を共有するなど、福祉局との連携をしているかどうかについて質問しました。しかし、対応した担当者は、そもそも「なぜ自分達が福祉局と連携する必要があるのか」という態度を取っており、「それぞれの困窮の事情は自分達とは関係がないので、関心を払わない」ことが感じ取れました。

本来、電気代が払えないような経済状況にある人に対しては、期限を守るよう責めたり罰則として延滞料金をつけたりするのではなく、生活保護や給付金などの制度利用に繋げることが何より優先されるべきです。にも関わらず東北電力がこのような姿勢であることは、いくら私企業と言っても、人々の生活に直結するインフラを担っている組織として無責任と言わざるを得ません。

国(厚労省、経産省)も2023年2月に、電気・ガス事業者と地方自治体の福祉機関との連携を促す通知を出しています。(2023年2月厚生労働省、経済産業省「生活困窮者自立支援制度と電気・都市ガス事業との連携について」より)しかし、担当者は「東北電力が福祉と連携しているという話は聞いたことがない」と話しており、国の通知に基づく対応がされていないことが明らかになりました。

 

以上のように、東北電力の一連の対応からは、今のエネルギー貧困が広がる実態を重く捉えていない姿勢が分かります。引き続き電気代値下げ・供給継続を求めていくとともに、相談の呼びかけの徹底や福祉局との連携を求めることも人々の生存を守る上で重要だと考えています。

署名提出後は同日に記者会見を行い、エネルギー貧困の実態と、電気代値上げの不当性を訴えました。その様子については、次回の活動報告ブログで取り上げます。

◎今後に向けて

今後も、抗議・要求や調査活動を行い、電気というライフラインが企業の経営方針によって振り回され、エネルギー貧困が放置される状況を変えるために取り組んでいきます。

これらの活動に興味のある方・一緒に加わりたいという方は、ぜひ各団体までご連絡ください。

各団体とも常時メンバーを募集しています。

 

〈ボランティア/メンバーの募集はこちらで受け付けています〉

フードバンク仙台 https://foodbanksendai.com/volunteer/

仙台POSSE https://sendaiposseblog.wordpress.com/activity-introduction/

Fridays For Future Sendai https://fffsendai.wixsite.com/official-site/post/fridays-for-future-sendai-%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E5%8B%9F%E9%9B%86%E4%B8%AD

 

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