今回、フードバンク仙台に参加している、大学生(1年生)のボランティアさんに、ボランティアに参加して感じたことを話していただきました!
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私は今年の4月からフードバンク仙台の活動にボランティアとして参加させてもらっています。私は今年の4月に大学入学を期に、仙台で一人暮らしを始めました。そんな中、たまたま訪れたイベントでフードバンクの活動報告を聞き、十分な食事をとれておらず、一日一食で食いつないでいる、といった貧困に苦しんでいる人たちがとても多くいることに衝撃を受けました。自分が今まで直視してこなかった、現代社会における貧困問題の根深さを感じました。こんな社会を変えていくために自分が力になれることがあればぜひとも協力したいと思い、活動に参加するようになりました。
フードバンクの主な活動では、貧困世帯に食糧支援を行うだけではなく、一人一人の生活状況を聞き取り、場合によっては生活保護の申請に同行するといったサポートもしています。このような幅広い活動を通して、困窮している方々の生活再建という貧困の根本解決に取り組んでいます。
私が特に、これから力を入れていきたいと思っている活動が農地運営で、これはフードバンク仙台が最近取り組み始めた活動です。昨今の物価変動・食糧不足といった不安定な社会状況の中で、どのように貧困世帯に支給する食糧を安定的に確保していくのかという課題に対して、従来までの食糧寄付だけに頼る体制ではなく、自分たちでも食べ物をつくろう、という考えの基で活動しています。私も、農地運営に参加させてもらっていますが、実際に自分で畑を耕したり雑草を抜いたりしながら、汗をかいて土に触れあっていると、食べ物に対するありがたみが、より一層感じられるようになります。自分のつくった食べ物が誰かの幸せにつながっているという実感が強く感じられ、とてもやりがいのある仕事です。この農地運営には、フードバンクのボランティアだけではなく、フードバンクの以前の利用者や、留学生の方々にも携わってもらっています。農地の実践は、支える側・支えられる側といった一方的で固定的な関係ではなく、フードバンクにも自分のできる範囲で協力してもらう、といった相補的な支え合いの関係の構築にもつながっています。これは、誰もが生きがいを感じられる、持続的なつながりをもった新しい社会を構想する上での一つの実践の例だといえると思います。
フードバンクの活動を約半年続けてきて強く思うのは、活動を通して自分自身も成長させてもらっているということです。入ったばかりの頃は、目の前の仕事をすることでいっぱいいっぱいでしたが、日本の諸問題についての勉強会や、それぞれの問題に取り組んでいる多くの方々の話を直接聞いたりして経験を積むことで、これからの新しい社会を考える上での自分の考えが活動を通して深まっていくのを日々実感しています。これからの時代、フードバンクの役割の重要性はさらに強まっていくと思います。一つ一つの活動に真剣に取り組み、新たな実践も続けていきながら、常に、どうしたら貧困にあえぐ人たちをなくして、全ての人が生きる喜びを感じられるような社会を実現できるだろうか、という問題意識を持ち続けていきたいと思います。そのために、フードバンク仙台の活動に興味を持って、一緒にこれからの社会を構想していけるような仲間を増やし、活動の輪をもっともっと広げていければな、と思っています。
現場レポート・調査