このたび、NPO法人フードバンク仙台は2024年度の一年間の活動について皆様にご報告を行う活動報告会を開催いたします。
活動報告会は、フードバンク仙台に寄せられた昨年一年間の支援数や利用者の生活実態の統計分析、実際の支援事例の紹介、個人や企業等の市民の皆様から頂いたご寄付やご協力内容の報告とお礼、その他調査・政策提言・農地での野菜生産等、様々な側面からフードバンク仙台の活動を知っていただく機会としたいと考えております。ぜひ、ご参加いただければ幸いです。
活動報告会の概要
【日時】
2025年7月21日(月・祝)
14:30〜16:30(開場14:00)
【場所】
戦災復興記念館・4階 第1会議室
仙台市青葉区大町2-12-1
※zoom参加可(ZOOMのURLは申込者にメールで送付いたします。)
【参加費】
無料
【申込方法】
下記申込フォームにて受付ております。
※申込締切2025年7月19日(土)18:00まで
【主催】
NPO法人フードバンク仙台
活動報告会の趣旨
私達フードバンク仙台は、貧困と飢餓を無くすことを目的に活動しているNPO法人です。
2020年5月に結成して以降、2025年3月末までに延べ約3万7000人の生活困窮者へ総計約77万食以上の食料を無償で提供してきました。昨年2024年度は述べ約7100人に食料を提供しました。これは2023年度に比べてのべ2000人以上も多く、私たちが団体を立ち上げて以来最多の人数となりました。この背景には、2022年度以降の物価高騰、特に米をはじめとする食料価格の急上昇が大きく影響しています。
現在の物価高騰に対し、最低賃金の上昇は追いついておらず、働きながらも貧困状態にあるというワーキングプア世帯が拡大しています。また、年金や生活保護などの社会保障制度の給付額はごくわずかしか、あるいはまったく上昇していません。
物価高騰の中で生活保護の水準が変わらないことにより、利用中の方の生活がいっそう苦しくなるのはもちろん、「生活保護を利用できる基準額よりは収入が多い」世帯が実際には「食事を取ることもできない」ほど生活に困窮しているのに、生活保護の水準が変わらないために生活保護を利用することができないという問題も起きています。
こうした状況下で、私たちには日々深刻な相談事例が寄せられています。水道・電気・ガス代の滞納で何らかのライフラインが停止している世帯や1日1食でしのいでいる世帯、家賃を支払えず退去通知が届いた世帯、3日以上何も食べていない一人暮らし世帯などが多数おり、「飢餓」や「生存の危機」水準の絶対的貧困状態が広がっていることがわかります。
行政の支援が対応していない・対応できていない貧困が広がる中で、私たちフードバンク仙台は自分たちでできることをやろうと考え、皆様からの食品や活動費のご寄付等の温かいご支援や応援をいただきながら、これまで活動を継続してまいりました。
今後も、この厳しい社会情勢の中、貧困の最前線で必要な食糧支援を迅速に行い、社会保障制度の利用のサポートを行う生活相談や、貧困の実態についての調査、制度改善のための政策提言等を行っていきます。
2024年度の相談事例紹介
実際に2024年度の相談事例をいくつかご紹介します。活動報告会ではこれらの事例以外にも、当団体の食料支援利用者の生活実態の統計分析を通じ、仙台市内に広がる貧困の実態や、貧困をなくしていくための社会的課題について皆様に詳しくご報告いたします。
【事例1】50代女性と20代の娘の二人暮らし
母親はパートで働いているが、早上がりの日も多く、収入が不安定。また娘が仕事を辞めざるを得なくなり、家賃を滞納してしまい、強制退去になってしまった。20代の娘は体調不良があり、なかなか仕事に就くことができない。新居に移り生活保護費が出るようになった後も、滞納していた前の家の家賃(30万)、電気ガス2ヶ月分(1・2月分、計5万ほど)の支払いを迫られており生活が苦しい。世帯全体の食費は月約1万円。豆腐、卵ばかりで、野菜や肉は買えない。米が高いので、うどんやそうめんをよく食べている。
【事例2】40代男性、一人暮らし。
大学卒業後に正社員として働いていたが、実家の母亡くなったことにより、会社を退職し実家のある県に戻った。その後、様々な職種でアルバイトや契約社員や派遣社員として働きながら正社員を目指したが、有期雇用は契約期間満了とともに契約を切られることが多く、正社員として働く場所を見つけることができなかった。初回の食料支援の時点では、食事は1日1食で、収入がなく貯金をきりくずしながらギリギリで暮らしている状態だった。その後、フードバンク仙台からは食料支援を継続しながら生活保護制度の利用などもお勧めした。また、生活保護の住宅扶助の金額内の家賃を紹介できる地域の不動産会社を紹介した。
【事例3】40代の母親と学齢期の子ども4名の5人暮らし
DV避難で県外から引っ越してきた。引越しにかかった費用もあり、子供達四人が全員食べ盛りで生活が苦しい。
母親は一日一食にして、子どもに食べさせている。長女も気を使って下の子に自分の食べ物をあげたりもしている。
また障害がある子もいて子育ても大変。お米も切らしてしまっている。電子レンジが壊れても買いなおせない。野菜が採れず、納豆と卵が中心の食生活。お金がないので病院にも子どもをつれていけない。