私達フードバンク仙台は2020年度(2021年3月末まで)に、計3318世帯・
6306名以上の方々へ食料支援を行ってきました。
この一年間の活動報告書の全文PDFはこちら
フードバンク仙台の利用者の方々に対して生活状況に関するアンケートを行いフィードバックを行っております。今回は2020年度の支援状況について、活動報告書から抜粋して紹介していきたいと思います。
2020年10月に利用者が2倍に急増しました。その後も増え2月には1ヶ月間で935名へ食料を支援している状況です。利用者は依然として増加傾向で収まる気配は無いです。
初めて(1回のみ)の利用が61%です。中には「仕事が決まり、もう大丈夫です」という方もいるものの3回以上継続支援が必要な方が1/4を占めています。この割合は6月末時点とほぼ同じです。
なお、2021年3月1日から、食料支援の回数を原則4回までにさせていただき、支援機関のご利用を検討いただくなど、支援方法を変更させていただきました。 詳細はこちらのリンクからご確認ください。
「0~20歳」が38%。20歳未満の子どもの貧困に比例し、親世代の「21~60歳」が58%を占めていました。この割合は6月末までとほぼ同じです。その他「21~30歳」が1番多く29%を占めています。
2人暮らしが最も多い34%でした。1~3人暮らしが84%を占めています。この割合は6月末時点とほど同じです。この同居人数は、留学生の学生寮なども含まれています。
家族構成は、ひとり親16%、2人親11%、独居28%で、6月末時点とほぼ同じでした。その他には、知人宅での間借、会社寮、学生寮、夫婦暮らし等が含まれています。
多い順に、借家65%、公営住宅11%、会社寮・学生寮9%でした。これらの割合は6月末時点とほぼ同じでした。
未記入を除くと、同一世帯の中で持病がある世帯の割合は5%となりました。持病が無くても生活困窮に陥っている方が増えている。持病には、コロナ感染、がん、骨折、脳梗塞、うつ病、リウマチ、 糖尿病、メニエール病、肝臓疾患、不眠症、結核、狭心症、婦人科疾患、ヘルニア等、様々でした。
同一世帯の中で、何らかの障がいがある人がいる世帯の比率は全体の16%を占めました。1番多いのは精神障がい12%。中には、重複して障がいを抱えている人もいる。この割合は6月末時点とほぼ同じでした。
未記入を除いても、障がいのある方の内、障害者手帳または療育手帳を持っている人は22%、持っていない人が66%でした。この割合は、6月末時点とほぼ同じでした。
障がい者手帳が無いということは、障がいがあっても相談支援事業所や福祉サービス利用に繋がっていない人が多いことが予想されます。
全体の約1/3(38%)が外国人・留学生を占めました。この割合は6月末の16%、9月末の26%と、12月末の36%と、外国人・留学生からの支援依頼は増加の一途にあります。
仙台市内の人口割合から考えても、外国人・留学生の多くが生活に困窮していることがわかります。
「仕事なし」が30%、「学生(留学生含む)」は40%を占めます。これらの割合は6月末、9月末から「学生」と「仕事なし」は、月日を追うごとに増加傾向にあります。
上記の表から「仕事なし」を除いた、「仕事あり」「学生」の70%の内訳をみてみると、88%が非正規雇用でした。正規雇用の割合は6月末から、ほぼ同じでした。
「その他」は、有給インターン生、福祉事業所工賃、試用期間中などです。(※未回答166世帯)
無収入が38%、5万円未満が24%、5~15万円未満が39%となっています。「無収入」の割合は、6月末30%、12月末34%、3月末38%と増加傾向です。20万円以上収入がある世帯は1%で6月末時点からほぼ同じでした。
未記入を除くと、多い順に「給与」「全くない」「親からの仕送り」「借金」「奨学金」「障害者年金」「生活保護」「失業手当」でした。(※複数回答)
未回答を除くと、多い順に「無し」「児童扶養手当」「医療費助成」「緊急小口資金」「総合支援資金」「住宅確保給付金」となりました。(※複数回答)
1番多いのは「相談していない」で62%です。相談している人の内、約40%の人は「相談したが該当にならないと言われた」「他にも相談してみたい」と回答していました。
「相談したが該当にならないと言われた」7%と「他にも相談してみたい」6%も含めると、相談機関の情報を必要としている人も一定数いのが分かります。約1/4が「相談していて間に合っている」と回答していました。
上記の「どこかしらに相談している」と回答があった内、多い順に「区役所・行政」「民間福祉サービス」「仙台市相談センター わんすてっぷ」「病院」「社会福祉協議会」「アーチル」「仙台POSSE」「学校」に相談している人が多かったです。
「その他」には、家庭裁判所、清流ホーム、反貧困みやぎネットワーク、仙台多文化共生センター、はぁとぽーと仙台、ハーティ仙台、エルソーラ女性相談などがありました。
「知人・友人」「マスコミ」「HP・SNS」「相談機関」で、当団体を知った人が多かったです。
「その他」には、社会福祉協議会、母子支援センター、反貧困みやぎネットワーク、地域包括支援センター、自助グループ等がありました。(※複数回答可)
多い順に、「収入が0になった」32%、「半分以上減った」28%。84%の世帯がコロナ後に収入が減ったと回答でした。
未記入を除いて、「失業した」「失業はしていないが収入が減っている」「失業しそうである」を合わせると72%を占めています。「以前とほとんど変わらない」は5%で、コロナ前から困窮している世帯も一定数いました。
未記入を除くと、1番多いのが「この先の見通しが見えない」が34%でした。「このままだと体調が悪くなると感じる」と「このままだと命の危機があると感じる」を合わせると46%と、 約半分の世帯が緊迫した待ったなしの困窮状況にあることが分かります。
未記入を除いて、「大変苦しい」が64%、「やや苦しい」が29%で、93%の世帯が苦しい状況にあります。
全てある世帯を除くと、「ガスが止まっている」が53%、「水道が止まっている」が15%、「電気が止まっている」が12%でした。その他にも、2つ以上のライフラインが止まっている世帯も20%でした。
以上がフードバンク仙台のフィードバックでした。
利用者の現状を通じて、少しでも宮城県/仙台市のフードバンク活動に関心を持っていただければ幸いです。
※なお、食料提供に関する約束の項目『当団体が知りえた個人情報は、食料支援以外には使用せずご本人の許可なく第三者に伝えることはいたしません。 また、今後の活動に活かすため。個人が特定されないように情報を加工処理した上で統計データとして活用する場合がございますので、その旨をご了承下さい。』に従い、 利用者の現状をまとめさせていただきました。
私たちの活動費は有志の皆様からの資金援助と食料援助によって賄われています
活動日の月・木・金 10:00~16:00に事務所にお持ちいただく、また郵送にてお願いしております
なお、郵送料は送り主様のご負担をご協力頂いております
また企業様向けに寄付食品の損金算入のための受領書発行も承っております。詳しくはこちらをご覧ください